タイヤファクトリー

タイヤ問答 スタッドレスタイヤ編

【質問】 スタッドレスタイヤって?

そもそも・・・スタッドレスタイヤってなんですか?
雪道や凍結路面を走るためのタイヤ、ということでいいのでしょうか。
そうえいば、20年ぐらい前はスパイクタイヤってのがありましたね。
受験のときに、スパイクタイヤの杭(?)を
お守りに持っていった覚えがあります。





滑りませんでした。

受験、滑らずにすんでなによりですね。(笑)
スタッドレスタイヤ、どういう意味なのかというと、スタッド(鋲:びょう)がレス(ついていない)なタイヤという意味です。
昔はスパイクタイヤというのがありましたね。スポーツで使うシューズのように、タイヤのゴムの中に、面をひっかくための鋲が仕込んであるタイヤです。凍結路面ではものすごい威力を発揮しました。
ところがこのタイヤで、雪のないアスファルトの上を走ると、針が地面を削ってしまい、粉じんが大量発生して大問題になったのです。結局、雪のない場所でスパイクタイヤを使うことは法で禁止されてしまいました。
で、タイヤメーカーは、スパイクに頼らずに雪や氷の上を走れるタイヤというのを開発しなければならなくなったのですが、それがスタッドレスタイヤなのですね。
スタッドレスタイヤはゴムの質や溝の形を工夫して雪道に対応しています。ですので冬専用のタイヤと思って、季節によって使い分けるのがいいですね。

【質問】 スタッドレスを乾燥路面で履くと?

今年(2007年)は3月中旬に雪が降って、スタッドレスタイヤから夏タイヤに履き替えずに、そのままスタッドレスを履き続けている方が結構いるのでは・・との、某タイヤメーカーの予想。
ところで、凍ってもいないし、雪もない道をスタッドレスタイヤで走るとどうなるのでしょうか。
ゴーって音が響いたり、ブレーキが効きにくかったりするのかな。

スタッドレスタイヤはゴムの質や溝の形を工夫しています。
では、具体的にどう工夫しているのかというと、ゴムを柔らかくして、細かな溝をたくさん入れてあるのです。
ゴムは冷えると硬くなってしまいます。硬くなると、地面への食い付きが悪くなってしまうので、スタッドレスタイヤは柔らかいのです。溝も、滑りやすい氷の上で、地面をひっかく力を増やすために溝をたくさんつけてあります。
ではそれを夏の間も履き続けているとどうなるかというと、タイヤが柔らかいので、カーブやブレーキの度にタイヤがグニャッとしてしまい、踏ん張りがききません。そういった走りに関する車の性能が少し落ちてしまいます。
タイヤが柔らかいので、摩擦で削れやすく、寿命も短くなります。溝が多いと、タイヤからの騒音も大きくなってしまいます。
結局、車のほとんどの性能が落ちてしまうということになりますね。
やはり、夏は夏の(普通の)タイヤ、冬は冬のタイヤという具合に、季節でタイヤも使い分けるのが良さそうです。

【質問】 スタッドレスタイヤの寿命

夏(普通)タイヤの交換時期は、スリップサイン(残り溝1.6mm)の出る前でしたね。
では、スタッドレスタイヤの場合はどうなのでしょうか?
確か、スタッドレスとしての性能を発揮できなくなっても、
その後は夏タイヤとして使えるのですよね。

タイヤの寿命としてはスタッドレスタイヤも夏タイヤも同じ、残り溝1.6mmのところまでです。
ですが、スタッドレスタイヤはプラットホームというものがあります。スリップサインと同様の溝の盛り上がりが、溝の深さ半分(つまり4mm)くらいのところまであります。これがスタッドレスタイヤとしての限界です。
細かな溝と柔らかいゴムがスタッドレスタイヤの力の秘密でしたね。ということは、溝の深さが十分にないと性能を発揮できないのです。だから、溝が半分になってしまうと普通のタイヤとしては使えてもスタッドレスとしての効果はありませんよ、ということです。
とは言っても、スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べてオンロードでの性能がかなり落ちます(この記事を参照)し、夏タイヤにしても、残り溝半分での交換をお勧めしています。(この記事を参照)
スタッドレスタイヤのプラットホームが見えたら、思い切って新しいタイヤに交換してしまうのがいいかもしれませんね。

【質問】 スタッドレスタイヤの慣らし走行

夏用タイヤの場合、タイヤ交換をしたら乗り始めは特に、
ホイールとタイヤを慣らすためにも丁寧な運転をしたほうがいいのですよね。
では、スタッドレスタイヤの場合も夏タイヤと同じように慣らし走行をすればいいのでしょうか?

スタッドレスタイヤも夏タイヤと同様に、タイヤとホイールを慣らすために「ゆっくり丁寧な」運転が必要です。慣らし走行のやり方は夏タイヤもスタッドレスタイヤも同じですが、スタッドレスタイヤの場合、慣らし走行にもう一つ意味があります。
スタッドレスタイヤは、その構造で氷をひっかく仕組みになっていたり、さらに最近のものでは、タイヤの中に気泡があって、それが氷の上で威力を発揮したりします。
ということはつまり、スタッドレスタイヤは慣らしが終わって気泡が表面に出てこないと、雪や氷の上で性能を発揮できないということですね。
中にはいろいろと工夫がしてあるタイヤもあって、慣らしの段階から効果があるようにと、タイヤ表面にわざとギザギザが刻んであったりします。ところがこれも、メーカーによって効きに差があります。
あまり深く考えず、タイヤは必ず慣らしをするのが良さそうですね。

【質問】 スタッドレスタイヤはいつ履くの?

メーカーによって差はあるものの、スタッドレスタイヤは
本番前のウォーミングアップみたいに慣らしとくのがいいのですよね。
そういえば一昨年(2005年)の冬は全国的に大雪が振って、タイヤ屋さんに駆け込む人が多かったそうです。
私の友達も雪の中交換しにいって、苦労したと言ってましたが、 タイヤを慣らしておくためにも、雪が降ってからスタッドレスを装着するのではなく、前もって履いておいたほうがいいってことですよね?

タイヤチェーンなら雪が降った時にだけ装着しますが、スタッドレスタイヤは事前の準備がとても大切です。
一度雪が降ってしまうとタイヤの交換はなかなかできません。お店にお願いしようにも大混雑だし、自宅でやろうにも足もとに雪が積もっていると作業もはかどりませんし危険です。
事前に天気予報をチェックして、それも明日明後日の予報ではなく長期的な予報を気にしてスケジュールを決めておきたいですね。
一方で、あまり装着を早くしすぎてしまうと、夏タイヤよりもやわらかなスタッドレスタイヤのこと、減りが心配になってしまいます。
例えば、地元では雪は降らないけど、スキー場に行くためにスタッドレスタイヤを使う、という人の場合、スタッドレスタイヤを装着してすぐにスキー場に向かえば、その道の途中で慣らしが終わってしまいます。
これもまた事前の計画ですね。
スタッドレスタイヤはどのようなスケジュールで使うのか、しっかりと考えておくことで、お役立ち度がかなり変わってきます。

【質問】 スタッドレスの慣らし距離

スタッドレスタイヤの慣らし走行って、どれくらいの距離を走ったらいいのかなぁと思っていたところ、ブリヂストンの2007年カタログにこのような記述がありました。
『新品タイヤ装着時にはタイヤがなれるまで、夏用タイヤの場合、
80km/h以下の速度で最低100km以上、
冬用タイヤの場合、60km/h以下の速度で200km以上の
走行距離のならし走行を行ってください。』

夏用タイヤが100km以上に対して、冬用(スタッドレスタイヤ)はそれよりも長めの200km以上なのは、なんでなのでしょうか。

100km、200kmというのはあくまで目安で、実際には車によってもサイズによっても乗り方によっても違います。
細かい話はさておき、スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて十分に慣らし運転をする必要があります。
先日(こちらを参照)もスタッドレスの慣らしについて触れましたが、スタッドレスタイヤは表面を十分に削らないと性能を発揮できません。
最近の商品は、ゴムの内部に気泡を持たせたりして、氷の上での性能を高めているものが多くあります。
そうすると気泡が表面に出てこないと十分な性能が発揮できないので、やっぱり慣らしが重要ということになってきます。
また、中には表面に凹凸を設けて、新品の時から雪や氷での性能を高めた商品もありますが、効きは商品毎に異なります。
安全のためには十分な慣らしをするのが一番ということですね。

【質問】 ブリヂストンREVO1とREVO2の違い

【レボ2試乗会での座学レポート】

スタッドレスタイヤ全般に言えることではあるけれど、
ブリザックREVO2もREVO1も発泡ゴムを使用していて慣らし走行が必要です。

標準、冬の4〜5ヶ月間の使用で3〜4シーズン持つそうです。
(そのあとは夏用タイヤとして使用可能)

また、レボ1よりレボ2のほうが
氷上ブレーキ、WETブレーキでワンランクUP。
ドライ、氷上操縦安定性、雪上操縦安定性は0.5UP。
(シャーベットでの性能は変わらないそうです)

レボ2のほうがレボ1に比べて水路がたくさん作ってあり、水はけがいい。

現在、165/80R14のみのMZ-01は発泡ゴムでも水路がなかったそうで、
MZ-02→MZ-03→REVO1→REVO2と発売されてきて、水路も多くなり、太くなっている。

最後に、07シーズンからREVO2に偏平率35/40/45/50/55※のサイズが増えました。
60/65/70/80シリーズは縦溝が3本ですが、新しく増えたサイズは4本の縦溝があります。

3本から4本になって、排水性能が上がりブレーキ制動距離が短くなりました。

※215/45R17の45の部分が偏平率

【質問】 スタッドレスタイヤの在庫期間

【Q】スタッドレスタイヤは製造から販売までの在庫期間中に
性能変化するの?

【A】適正に保管された新品スタッドレスタイヤは、
3年間は同等の性能を保つことが確認されています。

これは、ブリヂストン・スタッドレスタイヤ2007〜2008のカタログに
よくあるご質問として掲載されています。

私の記憶が正しければ、(あまり当てになりませんが)
ブリヂストンのスタッドレスタイヤカタログに、製造についてこのような
記載があるのは初めてみました。

2005年に製造された新品のスタッドレスタイヤが
適正に保管されていれば、2007や2008年に使っても同等の性能ってことですよね。

ハカセ、カタログの裏表紙にこのQ&Aが載ってるの知ってましたか?

※詳細データ等は、ブリザックWebに載っています。

性能について、カタログにこんな詳細に書かれているのは知りませんでしたね。
ブリザックWebの方も参考になります。

スタッドレスタイヤの寿命は、人によって意見は様々ですが、3〜5年というあたり。ですが、保管方法がしっかりしていれば未使用のまま3年程度なら全く問題ないということですね。

タイヤの保管方法については以前にも書きました(詳細はこちら)が、メーカー倉庫となると品質管理は並大抵ではなさそうですね。

【質問】 1本パンクしたときは?

たとえば、今ブリヂストンのスタッドレスタイヤREVO1を履いていて、
1本パンクしてしまったとします。

そしたら、パンクした1本だけREVO1を新しく買って交換すればいいのでしょうか。
それともREVO1を2本買うのか、全部揃えて4本交換するのか、どうしたらいいのでしょうか?

こういう状況はスタッドレスタイヤに限らずですが、どのように交換するか悩むところですね。

理想を言えば、4本全部交換してしまうのが一番です。

とは言っても、なかなかいきなりタイヤ4本を買うというのは金銭的に厳しいこともあるでしょう。こういう時は、とりあえず前または後の2本のみを交換して、また時期を見て残りの2本を交換するというのがお勧めです。

買って間もないタイヤなら、1本だけの交換というのも問題ないと思います。
要は、タイヤの減り具合を見て、ケースバイケースということですね。

ただし気をつけて欲しいのが4WD車。
4WD車の場合は、前後で異なる大きさのタイヤが装着されていると、故障の原因になります。前後で減りの程度が異なるようなら、4本同時の交換をお勧めします。

【質問】 3年使用と未使用のスタッドレスは?

製造から販売までの在庫期間中に性能変化するの?
についてブリヂストンのスタッドレスタイヤをこちらで取り上げました。

そして、今回はサポート・ユア・カーライフ「JAF」の会員誌JAFMATE 07年12月号に掲載の、
“3年使用と未使用のスタッドレス、凍った路面で止まれる距離は?”についてです。

テストしたスタッドレスタイヤは、
06年12月に購入して未使用の「新品タイヤ」、
03年秋に購入して通常使用してきた「使用中タイヤ」、
03年秋に購入したが未使用の「未使用タイヤ」の3つで、すべて同じ商品。

07年1月、平坦な氷盤路で時速40kmで走行中に、フルブレーキをかけたときの制動距離を計測。

さて、テスト結果はというと

↓↓

↓↓

↓↓

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「JAFMATE」を読んでいただきたいところですが、ブリヂストンの結果とは異なります。  

(A)06年12月に購入して未使用の「新品タイヤ」が45.7m
(B)03年秋に購入して通常使用してきた「使用中タイヤ」が55.2m
(C)03年秋に購入したが未使用の「未使用タイヤ」が49.1mの制動距離です。

ブリヂストンのテスト結果は、試験実施年度製造品も試験時3年保管品も
同等の性能であったのに対し、このテスト結果は(A)と(C)とで差がでています。

  WHY ?

思い浮かぶのは、
このユーザーテストで使用した(C)のスタッドレスタイヤの保管状況と、
ブリヂストンのテストで使った「販売会社の倉庫で適正に保管されたもの」とでは
状態が異なるのではないかということ。

いくつか疑問は湧きますが、テストが実施されたことは
興味深いです。

03年秋に購入して、07年1月まで、使わないままテストに備えたってことですよね。
中々できることではないです。

ハカセはこの結果、どう思いますか?


引用:JAFMate 2007年12月号より

正反対とは言わないまでも、ちょっとテスト結果に差が付いてしまいましたね。

タイヤというものは経年劣化が起こります。
つまり、製造から時間が経てば経つほど、性能が低下するのです。

ただし、保管状況によってその程度が変わってきます。
以前にもお話ししましたが、タイヤを保管する上で避けたい状況というものがあります。(詳しくはこちら
こういったことに気を使って、タイヤの保管にベストな環境を作り出せば、経年劣化は限りなく0に近づけることも可能です。


そのことを踏まえて各テストの結果について考えてみると…
まずメーカーのテスト結果についてですが、メーカーとしては自分の商品を悪く思われるわけにいかないので、相当に良い条件を作り出してテストを行っていると思います。
タイヤもこのテストのために、保管した幾つかのタイヤの中から、ベストコンディションのものを選んだりもしているのでしょう。
ですので、3年経ったタイヤでも性能の低下がゼロということは、現実にはあまりないと思います。

さて、ではJAFのテスト。こちらも保管状況についてまったく書かれていないのが気になります。
どんな状況で保管されたか分からないタイヤでは、性能が落ちても仕方ない、という風に解釈すればよいのですが、
例えばメーカーが新品として売り出している昨年在庫のタイヤも同じように性能低下があるかというと、それも疑問です。
新品として売っている物に何かあっては信用にかかわりますから、倉庫の中の環境に気を使うのは当然です。マンションのベランダでタイヤを保管するのとは訳が違います。

そうすると、どちらのテスト結果も一理あるけど鵜呑みにはしない方がいいのかな、と思いますね。

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