強化タイヤとは、普通のタイヤよりも高い空気圧を保持できる頑丈なタイヤのことで、
普通なら荷重能力の低いサイズのタイヤを、より重たい車に装着できるようになります。
Extra Load(略して「XL」とも)や、Reinforced(略して「RENF」など)といったタイヤが強化タイヤです。
タイヤサイズの最後の方にこのような記号が書いてあります。
□ ワンポイント □ |
インチアップ、という言葉をご存知でしょうか?
タイヤ全体の直径を変えずにホイールのサイズを大きいものに変えることです。
このインチアップをすることで、車の走行性能を高めたり、見た目をかっこよくすることができます。
インチアップをすると、ホイールが大きくなる分、タイヤが薄っぺらになります。
そうすると、タイヤの中に入ってくる空気が少なくなるために、
タイヤの荷重性能が落ちてしまうのです。
車がどんどんと高性能化していくのでタイヤも高性能化(インチアップ)したい。
でも、インチアップをするとタイヤが車の重さに耐え切れない。
これは困りました。
そこで登場したのが強化タイヤ。
同じサイズでも、タイヤの中に蓄えておける空気の量を増やす(タイヤを頑丈にする)ことで、
薄っぺらなタイヤでも重い車に対応できるようになりました。
今ではほとんどのタイヤメーカーで、高性能タイヤの一部のサイズに、
強化タイヤをラインナップしています。
タイヤは、どれくらいの空気の量でどれくらいの荷重を支えられるかという性能が決まっています。
その性能を示す数字がLI値です。
LI値の内容については別表を用意しました。
この表を見ると、たとえばLI値が92のタイヤに240kPaの空気を入れたら、
一本のタイヤで630kgの重量を支えることができることがわかります。
さて、ではタイヤのLI値が変わったときの、空気圧の調べ方を解説します。
もとのタイヤが215/45R17 87Wで空気圧が240kPa、
それを215/45R17 91W RENFというタイヤに交換したとします。
一番上の表を見ると、LI値が87で空気圧が240kPaの場合、荷重能力は545kgです。
91RENFで545kgの荷重能力を発揮する空気圧を一番下の表から調べると、250kPaですね。
通常のタイヤから同じサイズの強化タイヤに変更した場合は、
空気圧を10kPa増やすことになります。
では元のタイヤが205/55R16 91Vで240kPa、
それを 215/45R17 91W RENFに交換したとします。
一番上の表から、LI値91で240kPaだと、荷重能力は615kgです。
一番下の表から、LI値91で615kgの性能を発揮するのは290kPaの時だと分かります。
通常のタイヤから同じLI値の強化タイヤに変更した場合は、
空気圧を40〜50kPa増やすことになります。
これ以外にもいろんなサイズ変更やLI値変更のケースがあると思います。
タイヤ交換の際はご確認してみてください。
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