タイヤファクトリー

方向性タイヤと非対称タイヤ

自動車のタイヤは普通、前にも後ろにも走れる構造になっています。
トレッド面(地面に接する面)の溝の形も「点対称」になっていて、
同じタイヤを右にも左にも、裏返しにも使えるようになっています。
右の絵が、一般的なタイヤパターンの例ですね。

ところが中には、走らせる向きや
装着時の裏と表が決まっているタイヤというものがあります。
それが方向性つきタイヤ(ユニディレクショナルパターンタイヤ)と
非対称タイヤと呼ばれるタイヤです。

□ ワンポイント □
方向性つきタイヤは、回転方向が決まっています。
非対称タイヤは、裏と表が決まっています。
非対称方向性タイヤは、右タイヤ用と左タイヤ用の2種類があります。

○ どうやって装着したらいいの? ○

プロにお任せすれば大丈夫です。
とは言いながらも、せっかくなので少しご説明しましょう。

方向性つきタイヤの場合は、タイヤの回転方向を
車の走る向きに合わせて装着する必要があります。

タイヤには裏と表がありますが(見た目で区別はつけ難いです)、
このタイプのタイヤの場合は、片側は表が外向きに、
反対側は裏が外向きに、装着されることになります。

左の絵は方向性つきタイヤの例ですが、
車を正面から見たときに、タイヤが左の絵と同じ向きになれば大丈夫です。

非対称タイヤの場合は、必ずタイヤの表を外側に向けて装着します。
そのため、車の右と左で溝の形が逆向きになって
変な感じになってしまいますが、それで大丈夫です。
性能は問題ないようにちゃんと作ってあります。

右の絵は非対称パタンの例です。
右と左でタイヤが逆回転するという不思議なタイヤです。



方向性つき非対称のタイヤの場合では、
右用タイヤと左用タイヤがあります。
右には当然右用タイヤ、左に左用タイヤを使ってください。
右と左で形が違うタイヤになっているはずです。
左の絵が非対称方向性パタンの例です。

タイヤに右用と左用があるのは、
この「方向性つき非対称パタン」のみです。

○ なぜ方向性タイヤや非対称タイヤがあるの? ○

ここ数年で、薄っぺらいタイヤ(いわゆる低偏平タイヤ)がものすごく増えました。
低偏平タイヤは今までのタイヤ(高偏平タイヤ)に比べて、
走行性能(特にカーブの性能)が抜群に良くなっています。

ところが、なんでも良いこと尽くめとはいかないもので、
低偏平タイヤにしてしまうと雨の日の性能が落ちてしまうのです。

タイヤは道路に溜まった雨を、溝を使って排除します。
低偏平タイヤでは雨に弱い分、その溝をさらに効果的な形に
する必要があるのですね。

そして改良に改良を重ねた結果、回転方向を決めてしまう、
またはタイヤの裏表を決めてしまうことで、
排水性能を飛躍的に高めることができるようになったのです。

また、最近ではおなじみになったミニバン用タイヤですが、
背の高い車のふらつきを抑えるためには、タイヤの肩の部分を
今までのタイヤに比べて頑丈にすることが効果的です。

そこでもタイヤの裏表を決めてしまう方法は有効です。

さらに、サーキットで高い成果をあげるようなタイヤでは、
コーナリングのためにタイヤの外側はグリップを強力に、
雨に備えて内側は溝を効果的に配置し、さらに回転方向も決めて高性能に、と、
性能を上げるために徹底的に手を尽くしていることもあります。

乗っているだけなら気づきませんが、タイヤの溝一つで、ずいぶんと難しい話があるものですね。

各タイヤの装着方法はこちら

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